中国製のテレビメーカーといえば、2018年に東芝のテレビ事業を傘下に取り入れたハイセンスや、ここ数年で売り上げを伸ばしているTCLが挙げられます。
特にハイセンスは2011年に日本市場に参入して以降、徐々に売り上げを伸ばし、2023年にはパナソニックやソニーなどの国内メーカーを抑えて国内シェア第3位にまで上り詰めています。
最近では、通販サイトを中心にXiaomi(シャオミ)のテレビも、高性能かつリーズナブルな価格帯で販売されています。
しかし、中国製のテレビメーカーには、なんとなく“壊れやすい”というイメージがついています。
そこで今回は、中国製のテレビメーカーを使用している方々にアンケートを取り、本当に壊れやすいのか、その耐久性を調査しました。
そして“どのメーカーが良いのか”、その理由をまとめています。
中国製のテレビメーカーが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
※ちなみに国内メーカーのテレビは、一部有機ELテレビを除いて中国を中心とする海外で生産されています。
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中国製のテレビは壊れやすい?利用者にアンケート調査
中国製のテレビメーカー『ハイセンス、TCL、シャオミ』の評判は以下の通りです。
ハイセンスの評価
不具合や故障について
不具合や故障 | 票数 |
---|---|
ない | 116人 |
ある | 10人 |
アンケート詳細
調査方法:Webアンケート(クラウドワークス)
実施期間:2024年9月~12月
対象者:ハイセンスのテレビを利用している126人
TCLの評価
不具合や故障について
不具合や故障 | 票数 |
---|---|
ない | 116人 |
ある | 6人 |
アンケート詳細
調査方法:Webアンケート(クラウドワークス)
実施期間:2024年10月〜12月
対象者:TCLのテレビを使用している122人
シャオミの評価
不具合や故障について
項目 | 人数 |
---|---|
なし | 55 |
あり | 2 |
アンケート詳細
調査方法:Webアンケート(クラウドワークス)
実施期間:2024年9月〜11月
対象者:シャオミのテレビを利用している57人
このように、中国メーカーの品質は高く、壊れやすいということはありません。
特にハイセンスに関しては、不具合や故障が発生しても国内に設置されているサポートセンターで迅速に対応できる体制が取られています(もちろん日本語対応です)。
中国製のテレビメーカーは基本的に大量生産されています。
そのため、一定の品質が保たれている汎用的な部品を使用しています。
また、シンプルな機能に絞られているため、多機能なテレビと比べて不具合が起きる箇所が必然的に減ります。
なので、高性能かつ低価格が実現できるというわけなのです。
中国製のテレビはどのメーカーがおすすめなのか?
現状では、日本での販売実績や保証期間の長いハイセンスをおすすめします。
TCLやシャオミのテレビもコストパフォーマンスが高く国内シェアを伸ばしていますが、保証期間はTCLやシャオミが1年間なのに対して、ハイセンスは購入後のメーカー保証が3年間になります。
テレビは1〜2年で買い替える家電製品ではなく長期間使用するものです。
そのため、購入後の不具合や故障のことを考えると保証期間の長いハイセンスをおすすめします。
また、性能に関しても2018年に東芝をハイセンスの傘下に加えたことで性能が飛躍しました。
最近では、国内メーカーの上位クラスで使用されているMini LEDバックライトや量子ドット技術が使われています。
それぞれの特徴は以下の通りです。
Mini LEDバックライトとは
通常のLEDバックライトよりも細かなMini LEDを使用することで、滑らかで細やかな映像表現が可能になります。
さらに、黒の表現も有機ELに匹敵するほどの奥行きのある黒が表現できます。
量子ドット技術とは
量子ドット技術は色彩の幅を広げます。
それにより、目で見たリアルな映像表現が可能になります。
TCLやシャオミも同等の映像技術を兼ね備えていますが、保証期間の長さや日本での販売実績、東芝の映像技術など総合的に判断するとハイセンスに軍配が上がります。
各メーカーの特徴(ハイセンス・TCL・シャオミ)
Hisense(ハイセンス)
Hisense(ハイセンス)
43V型 量子ドット4Kテレビ 43U7N
参考価格:78,605円(税込)
ハイセンスのテレビは、中国メーカーの中では優れた性能で、画質・音質ともにバランスが取れています。
特に、東芝レグザとの共同開発による映像エンジンは定評があり、ブレやノイズを抑えて滑らかな映像表現が可能です。
また、上位モデルはMini LEDや量子ドット技術を採用しているので、色彩豊かで奥行きのある映像を楽しむことができます。
さらに、スピーカー構成も充実しています。
- フルレンジスピーカー × 2
- 高音域を担当するツイーター × 2
- 低音域を担当するサブウーファー × 1
- 音を天井に反射させて立体的な音響を実現するイネーブルドスピーカー × 2
メーカー保証は3年間なので、不具合や故障が発生しても安心です。
詳しくは以下の記事でまとめています。
TCL(ティーシーエル)
TCL(ティーシーエル)
55V型 量子ドット4Kテレビ 55T8B
参考価格:84,800円(税込)
TCLもハイセンス同様、Mini LEDや量子ドット技術が採用されています。
価格帯はハイセンスよりも安価で、コストパフォーマンスを重視する方におすすめのメーカーです。
ただし、メーカー保証は1年のため、不具合や故障が心配な場合は、各通販サイトの延長保証を利用することをおすすめします。
詳しくは以下の記事でまとめています。
Xiaomi(シャオミ)
Xiaomi(シャオミ)
43V型 量子ドットチューナーレス4Kテレビ Xiaomi TV A Pro 2025
参考価格:35,820円(税込)
今回紹介する中国メーカーの中で最も安価なのはXiaomi(シャオミ)です。
シャオミは基本的に店舗販売を行わず、通信販売を中心にリーズナブルな価格を実現しています。
また、シャオミのテレビは利益率を5%以下に抑えています。
低価格ながらも高品質を実現しています。
この低利益率の戦略により、シャオミ製品を手にしたユーザーが次回もシャオミ製品を購入することを狙ったマーケティングを行っています。
さらに、シャオミはテレビやスマートフォンの販売よりも、アプリなどのソフトウェアサービスの利用を通じたサブスクリプションで利益を得ている点が特徴です。
性能についても、ハイセンスやTCL同様にMini LEDや量子ドット技術が採用されているので、奥行きのある黒の表現や色彩豊かな映像美が楽しめます。
ただし、シャオミのテレビもメーカー保証は1年のため、TCL同様に各通販サイトでの延長保証の加入をおすすめします。
詳しくは以下の記事でまとめています。
中国製のテレビは壊れやすい?どのメーカーがおすすめなのか?まとめ
今回は中国製のテレビメーカーについて、壊れやすいのかを利用者へのアンケートで調査しました。
一昔前は“中国製のテレビメーカーは壊れやすい”という風潮がありましたが、現在では国内メーカーのほとんどが中国を中心とした海外で生産されています。
そのため、中国製品が壊れやすいという概念は無くなりつつあります。
特に若い世代はメーカーよりもコストパフォーマンスを重視する傾向があり、2024年夏以降、中国製のテレビメーカーが過半数のシェアを占めています。
出典元:日本経済新聞のニュースより
このことからわかるように、中国製のテレビメーカーに対する懸念点は少なく、メーカー保証が3年間のハイセンスは国内メーカーと遜色ない評価を得ています。
さらに手頃な価格で購入できるハイセンスをはじめとする中国メーカーは、今後もシェアを伸ばしていくことが予想されます。
過去に日立や三菱電機がテレビ事業から撤退したように、国内メーカーの撤退は避けられないのかもしれません。
“テレビを買うなら中国メーカー”すでにそんな時代になっているのかもしれません。